2026年診療報酬改定に向けて!~連載コラム~ 第1回目 物価対応料について

第1回目は、物価対応料についてです。

※2026年2月25日時点ではあくまでも推測となりますのでご容赦ください。

物価対応料(新設)は"地味に強い"。でも、準備しないと1円も入らない

今回の2026年改定で、クリニック経営にじわっと効いてくるのが「物価対応料」です。

名前のとおり、光熱費・医療材料費・委託費など、ここ数年で確実に上がったコストを補填するための仕組みです。

特徴は、外来だけでなく、入院・調剤・訪問看護にも共通で設けられる"横串の評価"だという点です。

つまり、「特定の診療を頑張ったら取れる加算」ではなく、日常診療そのものに上乗せされる設計。ここが大きなポイントです。

◆ どのくらい増えるのか?

クリニック向けの整理資料では、

  • 令和8年度:初診・再診時に数点程度の上乗せ
  • 令和9年度:その倍程度に拡充見込み

とされています(診療報酬改定クリニック版 25.2.9時点)。

「数点」と聞くと小さく感じるかもしれません。でも、外来クリニックは"件数が重要"ですよね。

たとえば、
1日80人 × 月22日診療 × 年12か月。

仮に「3点」上乗せなら、

3点 × 80人 × 22日 × 12か月 = 63,360点(=約63万円)

これが令和9で倍になれば、年間100万円超の規模感になります。

大きな改革ではありませんが、確実に積み上がるタイプの改定です。だから「地味に強い」と表現できます。

◆ ただし注意。"自動的には入らない"

ここが一番大事なところです。

物価対応料は「みんな苦しいよね」と自動で配られるお金ではありません。
算定要件が整理され、それを満たした医療機関だけが取れる設計になります。

過去の傾向から見ても、こうした横断的な評価は次のような流れをたどりやすいです。

  • 届出が必要になる
  • 施設基準や掲示義務が課される
  • 経費増の根拠整理や運用ルールが求められる
  • レセコン設定変更が必要になる

つまり、「知っている」だけではダメで、「動いた」クリニックだけが取れる可能性が高い。

◆ 取りこぼしが起きやすい理由

物価対応料は、"特別な医療行為"ではなく"通常診療に紐づく評価"なので、

  • レセコン設定漏れ
  • 届出忘れ
  • 算定タイミングの誤解
  • 院内共有不足
  • そして重要なのがレセプトチェッカーのルール設定

こうした"単純な理由"で取りこぼしが起きやすい項目です。

しかも、数点レベルなので、気づきにくい。

「なんとなく増えている気がする」
「まあ大きな額じゃないし」

と流してしまうと、1年後に数十万〜100万円規模の差がついている、ということも十分あり得ます。

◆ 今からやっておきたいこと

  1. 届出要件の正式通知をチェックできる体制を作る
  2. 院内で"物価対応料とは何か"を共有
  3. 月次で算定件数をモニタリング
  4. レセプトチェッカーの設定確認

これだけでも、取りこぼしのリスクは大きく減ります。

2026年改定は、派手な点数アップよりも、「小さな評価を確実に積み上げられるかどうかで差がつく改定です。

・物価対応料は、その象徴のような存在。

・目立たないけれど、確実に効く。

・そして、準備したクリニックだけがきちんと受け取れる。

この視点で、ぜひ早めに動いてみてください。

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