◆ 令和8年度改定、6月1日にスタートしました
令和8年度診療報酬改定は、2026年3月5日の告示を経て、本体部分が2026年6月1日に施行されました(薬価・材料価格は4月1日に先行改定される2段階施行)。
施行から1か月あまり。「新しい算定項目を取りこぼしていないか」「返戻が増えていないか」——今まさに、最初の請求サイクルで現場の対応力が試される時期です。
今回は、改定後のレセプト業務で特に見落としやすいポイントを整理します。
◆ 第1回の"答え合わせ":物価対応料は「届出不要・自動算定」に
連載第1回(2026年2月)では、新設の「物価対応料」について「届出や施設基準が課される可能性がある」と推測していました。
結論から言うと、物価対応料は届出不要で算定できる設計となりました。準備のハードルが下がったのは朗報です。
ただし、「自動的に収入が増える」と安心するのはまだ早い、というのが第1回でお伝えした通りです。
レセコンの設定が改定に対応しているか
算定件数が想定通りに積み上がっているか(月次モニタリング)
数点レベルの上乗せは、取りこぼしても気づきにくいのが特徴です。施行後の最初の数か月こそ、算定状況の確認をおすすめします。
◆ 見落としやすい変更点 3選
① 生活習慣病管理料(Ⅱ)——包括範囲の見直し
今回の改定で、生活習慣病管理料(Ⅱ)の包括範囲が見直され、これまで包括されていた一部の項目が別に算定できるようになりました。
「以前は包括だったから」という思い込みのまま運用していると、算定できるものを算定しない=算定漏れが発生します。逆に、対象外の項目を誤って併算定すれば返戻・査定の対象です。改定前後でルールが変わった項目こそ、院内の算定基準のアップデートが必要です。
② 在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)——新設コメントコードへの対応
CPAP関連では要件が見直され、新設のコメントコードによる記載が求められるようになりました。経過措置期間が設けられていますが、2026年10月請求分からは必須となる見込みです。
「9月までは通っていたのに、10月から返戻が急増した」——こうした事態を避けるため、経過措置期間中の今のうちに、コメント記載の運用を整えておきましょう。
③ 地域包括診療加算・地域包括診療料——対象患者の拡大
対象疾患が拡大され、「対象疾患1つ+要介護」といった組み合わせでも算定できるケースが広がりました。
対象が広がる改定は、裏を返せば「今まで対象外だった患者さんが対象になっている」ということ。カルテと突き合わせた対象患者の洗い出しをしないと、そのまま算定機会を逃し続けることになります。
◆ 改定直後こそ「点検体制」が問われる
改定後の最初の数か月は、1年の中で最も返戻・査定・算定漏れが起きやすい時期です。
新設・変更項目のルールが院内に浸透していない
レセコンやチェックソフトのマスタが旧基準のまま
審査側のチェックも改定対応で厳格化する
特にインストール型のチェックソフトをお使いの場合、改定のたびにバージョンアップやマスタ更新の作業が発生し、対応が遅れるとその間の点検精度が落ちてしまいます。
クラウド型の「レセプトチェッカーLS Plus」は、診療報酬改定への対応やマスタ更新が自動で、ログインすれば常に最新の状態で点検できます。病名漏れ・算定漏れの自動チェックに加え、縦覧・突合点検にも対応。改定直後の"取りこぼしやすい時期"の点検体制づくりに、ぜひご活用ください。
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※本コラムは2026年7月時点の情報に基づいています。個別の算定要件は、厚生労働省の告示・通知および審査支払機関の最新情報を必ずご確認ください。